PURMA SPECIAL
PURMA SPECIALはアールデコ時代の1937年にイギリスのPURMA社から販売された127ロールフィルムを使用するカメラです。
世界初のベークライトカメラですが、一番の特徴はそのシャッターシステムにあります。
カメラの状態により変化する重りを利用した重力制御シャッターを採用しています。
通常の状態で通常の晴れ?の中速で撮影、明るい晴れはカメラを反時計回りに90度回転させることで高速で、曇りの時には反対に時計回りに回転させることで低速でできるようになっています。
そういった理由からフィルムへの露光サイズは32mmX32mmの正方形です。
当然現像された写真は右を向いたり左を向いたりしています。
レンズは「BECKANASTIGMAT F6.36 f=57mmで絞り固定でピントもパンフォーカスで3m(10ft)から∞までにピントが合うようです。
シャッタースピードは1/50 1/150 1/450 ですが、フリクションの影響を受けるので計測が必要です。
比例して速くなったり、遅くなったりしているわけでもないことに注意が必要です。
分解・清掃・注油などするたびに元気になるので、きっと露光時間にも変化があるはずです。
フィルムは現時点でも、北海道のショップから購入でき、現像取扱店も東京にあります(他にもあると思います)。
特許的なものもあるようで以下のような書類が残っています。

特許の資料
使用上の注意
次のような注意が必要です。
- 傾けただけではセットされない場合がある
十分に潤滑されていればまだしもですが、重りが動いてくれない時もあるし、重りと絞りの隙間が空いてしまうこともあります。ので、トントンと軽くショックを与えるとよいです。 - 後ろ玉の清掃
後ろ玉には経年の油幕とかが張っていたりします。
分解清掃するか、シャッターを押しながらチャージすると綿棒で掃除することが出来ます。 - 裏蓋の向き
逆でも入れることが出来ますが向きを間違えると正常に動かないか、フィルムが傷みます。
フィルム押さえの部分にTOPと、FILMの向きが書かれています。 - 裏蓋の締め方
裏蓋の金具が、本体側の金具より内側に入るのが正常な状態です。
無理やり押し込むと金具がゆがむので、事前に十分コツを習得しておく必要があります。
片側からはめるともう片方の状態を見ながらでき、入れやすいです。 - 裏蓋は取れやすい
遮光もかねてパーマセルとかで固定しておくほうが安全です。
Manufacturer | : | Purma |
---|---|---|
Produced | : | 1937 |
Classification | : | Miniature |
Body Type | : | Extending Body |
Construction | : | Bakelite |
Film Type | : | 127 |
Film Width | : | 46mm |
Image Size | : | 1¼ x 1¼ |
Lens Type | : | Beck Anastigmat |
Focal Length | : | 57mm |
Focus Type | : | fixed |
Focal Range | : | 10ft – Inf. |
Aperture Type | : | Fixed |
Apertures | : | f/6.3 |
Shutter Type | : | Variable Speed |
Shutter Speeds | : | 1/25s, 1/150s, 1/450s |
Size Open (w x h x d) | : | 153 x 72 x 70 mm |
Weight | : | 365g |
記録

巻き上げレバーとシャッターがあります

正面

背面

底面

高速時のスリット量

通常時のスリット量

低速時のスリット量

レリーズしたとき

通常はレンズに蓋が

低速時:実際には低速なのではなく露光時間が長い

高速時:実際には高速なのではなく、露光時間が短い

通常に構えた時のスリット

BECK ANASTIGMAT F-6.3 2 1/4

TIOPとFILMと←の刻印が

ファインダー部に速度表示がある

フィルムが結構擦れそう…
マニュアルは PURMA GIDE